農業

  • 2016.06.23 Thursday
  • 23:08

普段より農業に携わる仕事をしています。

農業生産から流通、そして生産者と生活者を繋ぐための啓蒙活動や食に関わる企画も長らく続けています。そんな中、今回は実家の農業をサポートに行ってきました。私の実家は長野県上田市、専業農家の二男に生まれ幼い頃より農業と共に歩んでまいりました。小さな頃は養蚕を営み、家の畳を上げ家内で蚕を養い生計を立て田畑で米や野菜を作って来ました。田植えや稲刈りは面積が大きいために一ヶ月以上かかり、どこの農村地域でも学校では「田植え休み」「稲刈り休み」といったものがありました。

 世の中の流れがゆるやかな時期はそれでも悠々と暮らせました。 今回、実家の農業サポートをしながらしみじみ感じたことが有ります。うちにはいったいなんだいのトラクターがあるんだろうか?数えてみたら12台!120馬力から15馬力まで・・その他に大型のコンバインや田植え機・・古くなれば維持費だけでも大変です。大型のトラクターは1500万以上・・確かに再ベイ面積は20ha以上で地元出はかなり大きな方かもしれませんがはたしてこれで米を作っていて元は取れるんだろうか?

 日本人が米を食べなくなっています。農産物価格は需要と供給のバランスによって決定します。米は「日本の食の原点」ということで守られて来た農産物でしたが、食管制度が無くなり米の価格も自由化になり今ではブランドのコシヒカリでも一俵が12000円以下です。10a(300坪)当たり収穫量は420Kg・・90000円程度にしかなりません。機械の償却や肥料代を含めた生産コストは10a当た120000円・・どうやっても米では食べられないのが現状です。これは不動産の維持の為の農業です。

米だけでは食べられないので転作の奨励金狙いで麦や大豆を作らなければいけない! 麦・大豆・そばは転作の奨励作物ですが海外のコストを考えるととても日本で栽培するものにはなりません。 でも国産だから安心・安全・・これも大きな間違いでしょう。

 

農家が誇りを持って経営が出来るようにするには補助金などではなく、自立できるための教育や流通の改善が大きな要素を持つように感じています。

皆さんと多くの場を持ち農業や食について語ってみたいと思っています。

 

家族に思う

  • 2015.02.08 Sunday
  • 07:11
先日、長野県上田市において「長野県直売所サミット」が行われ講演会をさせて頂きました。
ないより自分の故郷であり、母校丸子実業高等学校のすぐ近くでの会場です。「故郷に錦を飾る!」はちょっと大げさですが知り合いも多く何か特別の思いで参加させて頂きました。 どこでも農業の衰退や悩みは一緒です。交流会の時にも多くの方々からご相談を受けました。 講演会に先立ち、上田にある実家に泊まることとなりましたが、母は95歳で兄が一人で農業をしながら介護をしてくれています。徐々に年齢も増し寝たきりとは言いながらボケも始まっています。帰る度にその姿を見ると、昔の母の面影との違いに困惑と寂しさを感じづにはいられません。その寝たきりの母をずっと介護を続けてくれる兄には本当に尊敬と感謝の気持が常に湧いてきます。今回は母のベットを挟み兄弟で寝ることになりましたが、母は夜中にいろいろな妄想が始まり、昔の思い出をずっと一人でしゃべっています。それを優しく諭しながら話に付き合う兄を見ていて布団の中で涙が止まりませんでした。
「としきちゃん・・もっとこっちにおいで! そんなに後ろに行くと井戸に落ちるよ・・」母の中では私は小さな子供で停まっているようです。 高齢者が増え介護の問題が常に話題になりがちな現代ですが、介護施設に預けるのが当り前の時代に家族兄弟に優しく介護される母は本当に幸せだと思うと共に毎日食事を作り、下の世話まで嫌な顔もせずにする兄弟には本当に感謝です。
また、そのような考え方に育ててくれた親に改めて感謝の気持ちと兄弟のありがたさを常に感じています。
 

今年の夏の天気

  • 2014.08.16 Saturday
  • 10:46
 8月もまだ半ばですが今年の高松の降水量は連年の10倍以上とのことです。
今朝も早朝より雷が鳴り、叩き付けるような雨が降っていました。 四国では先日の台風でも1000ミリを超える大雨が降っています。 地球規模での天候異変が起きているようですが、自然との共存が絶対不可欠な農業にとっては非常に厳しい現実にさらされています。

 台風後の市場では胡瓜や茄子が高騰し一本が200円もするような値段が付いていますが、畑ではこれから秋冬作の準備が忙しくなってきます。 人参や大根の種まき、キャベツ・カリフラワー・ブロッコリーの育苗、イチゴでは苗の定植準備など重要なシーズンを迎えていますが、このままの天気が続くと圃場の準備ができません。

 しばらくは収穫量の少なくなりますが、今後の台風等の天候によっては夏作野菜は終了を迎えてしまうかもしれません。 だから農家は稲作をやめないんでしょうね。台風にも浸水にも強く
あまり気にしなくていい簡単な作物のお米! お米ではお金にはなりませんがとりあえず農業をしています。 これでは前向きの農業にはなりませんが、自然災害に対し農業はあまりにも無力です。やはり六次化も含め農産加工や三次産業的な農業形態を模索するべきなのでしょうか。

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中村敏樹

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